気がつけば10月も後半。秋の風、秋味(^o^)v、秋真っ只中です。
今回は少し趣向を変えて、秋の研修会のご報告を前編、後編2回に渡ってお届けします。
以前にも何度かご紹介しましたが、造園を取り巻く業界の取り組みの中で、国や自治体の公園を管理する事は大きな流れになってきています。
弊社が所属する兵庫県造園建設業協会、神戸市造園協力会等では、国営明石海峡公園の淡路地区、同じく神戸地区のあいな里山公園、神戸市立相楽園や須磨離宮公園など、指定管理や業務委託という形で携わり仕事の幅が拡がってきました。
【 あいな里山公園の収穫体験 】
国営明石海峡公園 あいな里山公園はコチラ→http://kobe-kaikyopark.jp/
造園建設業から造園サービス業へ転換していこうかという流れの中で、やはり学ぶ事、他を知る事は大事な事です。
ということで、本年は先の2団体の共同企画として四国は土佐の高知、植物分類学者 牧野富太郎氏の名で有名な高知県立牧野植物園と香川県の国営讃岐まんのう公園に足を運びました。
新幹線で岡山に入り、バスで瀬戸大橋を渡り四国入り。
讃岐富士のお出迎えから四国特有の山並を抜け3時間程で高知に入りました。
程無く昼食の為、立ち寄った所が、幕末に土佐藩において坂本龍馬や西郷隆盛などと共に重要な役割を果たした山内容堂候の屋敷跡のある三翠園。
ここは容堂候と西郷さんが会見・交渉し幕末の時代が大きく変わった謂れのある地で、時代を超えて同じ景色が見れているかと思うと感慨深いものがありました。
20数名の参加者も当時からの庭を見て周り、樹齢400〜600年と言われる椋(ムク)の御神木も目にする事ができました。
今回の研修も昼食に立ち寄る場所でさえ、由緒あるお庭や樹木が在るところを訪ねる計画で、一般的な観光とは違う、結構真面目な研修です。
そして、初日メインの目的地!
街を抜け少し奥まった山道を登った先に、ありました 高知県立牧野植物園。
正門の石垣はこの植物園を建設する際に、この地から出てきた石を使用し、大小組み合わせ、昔からあったような表情を醸し出しています。
現地のガイドを勤めて頂いたお二人。 建築部分と植物管理の2つに分けてご説明頂いたのですが、非常に詳しくかつ、この場では書けない牧野先生の赤裸々なプライベート話など とても面白くお話を聞かせて頂きました。
まったくの自然に見える風景も、流れに添って息ずく植物から、山裾、尾根付近それぞれにある樹木などを そのまま切り取ったように計画して植栽され、さらに、写真のように本当に一つひとつに樹名板が付けられており、この徹底ぶりに関心しました。
ここでいくつか珍しい植物をご紹介!
樹皮がパッと見結構赤いこの樹木。名前がユニークです。
百日紅にも似た木肌ですが、この木の名前は「バクチノキ」!
生長の過程で樹皮が剥がれ落ちる特徴を 身ぐるみ剥がされる様子に準え命名されたそうです。
次は渓谷の石垣などに自生する日本の固有種! キバナノツキヌキホトトギス!
近づいてみると、伸びている茎が葉を突き抜いているように見えることから名付けられたとか。
現在は乱獲で、絶滅危惧種になっているそうです。
お次はこれ。エドヒガンザクラ! とはいってもただの桜ではありません。
なんと平成20年にスペースシャトル「エンデバー」で宇宙に飛び、国際宇宙ステーションに8ヶ月間滞在していた種の中で4粒が発芽し、これを接木した株を 牧野富太郎生誕150年記念として平成24年に植えられたもので、地元「名野川」と宇宙をイメージする星(スター)を合わせた「ナノカワスター」と命名されたそうです。
次は温室です。 一般的な熱帯植物に混じり、弊社でも扱ったことのあるドライエリアの多肉植物。 2010年にリニューアルされた温室は天井高も高く、室内湿気もサラットした印象でしたが、スタッフの方に聞いてみたら、空調設備が無くて、夏はやはり暑くて大変と・・・言ってました。
須磨離宮公園の温室では見かけないもの。 ↓これはオオヤマショウガ。
そして、♪ダン・ダン・ダン・ドゥンダ・ダン・ドゥンダ・ドゥン~♪ コwウ~コwウ~と言えば???
そう!ダースベイダー!! 結構似てます。 アリストロキア・サルバドレンシス。 顔に見えるところはガクで花はその中、花の寿命は1週間ほどらしいです。
2時間半も採っていた研修時間でしたが、あっと言う間で見れたのはメインの通りだけ。 もっと時間が欲しかったぁ~という感じです。
高知が生んだ「日本植物分類学の父」牧野富太郎博士! 一般の方々が観ても大満足できる植物園だと思います。 オシです!
植物の種類の多さ、珍しさ、見せ方、学び方いろんな角度で楽しめるところであり、公園の管理や運営にヒントになることが見聞できました。
これにて秋の研修会(前編)は終了です。 後編の国営讃岐まんのう公園のご報告はcoming soonということで・・・
後編はコチラから → https://zouen.nirakuen.com/?p=2180